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経営管理における事業の判断について

(1)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合

a。 直近期末において欠損金がない場合

直近期において当期純利益があり,同期末において剰余金がある場合には,事業の継続性に問題はありません。また, 直近期末において欠損金もない 場合には,事業の継続性があると認めることとします。

b 直近期末において欠損金がある場合

(ア)直近期末において債務超過となっていない場合

事業計画,資金調達等の状況により,将来にわたって事業の継続が見込 まれる可能性を考慮し,今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資 料の提出を求めることとし,原則として事業の継続性があると認めます。

(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合

債務超過が1年以上継続していない場合に限り,具体的な改善の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。 

(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合

債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかっ たときは,原則として事業の継続性が あるとは認められません。

(2)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合

企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは,通常の企業活動を行っているものとは認められず,仮に営業外損益,特別損益により利益 を確保したとしても,それが本来の業務から生じているものではありません。単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ,二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって,この場合には原則として事業の継続性があるとは認められません。

当該企業の直近期決算書によると,売上総損失が発生していること,当期損益は赤字で欠損金もあり,また,欠損金の額は資本金の約2倍が発生していることから,当該事業の継続性を認められなかったもの。

参考指標(売上高総利益率:約- 30 %,売上高営業利益率:- 1,000 %超,自己資本 比率:約- 100 %) ※各種計算の手法は提出された直近期の決算書をもとに以下のとおり算出(利益はプ ラス,損失はマイナス)。 売上高総利益率=売上総利益(損失)÷純売上高×100売上高営業利益率=営業利益(損失)÷純売上高×100 自己資本比率=自己資本(剰余金又は欠損金を含む)÷総資本×100

 参考事例

Aは,本邦において個人経営の飲食店を営むとして在留資格変更許可申請を行った が,事務所とされる物件に係る賃貸借契約における使用目的が「住居」とされていた ものの,貸主との間で「会社の事務所」として使用することを認めるとする特約を交わしており,事業所が確保されていると認められたもの。

 Bは,本邦において水産物の輸出入及び加工販売業を営むとして在留資格認定証明 書交付申請を行ったところ,本店が役員自宅である一方,支社として商工会所有の物 件を賃借していたことから,事業所が確保されていると認められたもの。

 Cは,本邦において株式会社を設立し,販売事業を営むとして在留資格認定証明書 交付申請を行ったが,会社事務所と住居部分の入り口は別となっており,事務所入り 口には,会社名を表す標識が設置されていた。また,事務所にはパソコン,電話,事 務机,コピー機等の事務機器が設置されるなど事業が営まれていることが確認され, 事業所が確保されていると認められたもの。

​出所:外国人経営者の在留資格基準の明確化について 出 入 国 在 留 管 理 庁 平成17年8月策定 (令和2年8月改定)

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